漢方の可能性を患者さんに

産婦人科漢方研究会

挨拶

代表世話人挨拶

代表世話人:髙松 潔

2020年秋より齋藤先生から代表世話人を引き継ぐこととなりました。
本研究会は1981年の創設以来、学術集会も既に40回を迎え、会員は1,100名を超えております。
機関誌「産婦人科漢方研究のあゆみ」にも毎号多くの論文が投稿されています。
代表世話人は私で6代目となりますが、伝統ある本研究会の歴史を考えますと身が引き締まる思いです。
諸先輩方の英知と努力で発展してきた本研究会をさらに飛躍させるべく努力する所存ですので、宜しくお願い申し上げます。

本研究会が発足したころは、明治政府により一旦切り捨てられた漢方医学が再認識されるようになってきた時代だったかと思います。
しかし、現在では漢方医学が医学部教育のコアカリキュラムに組み込まれるようになりましたし、産婦人科における「漢方を現在処方している」率は97%と各診療科の中で最も高く、さらに処方率は上昇しているという統計もあり、実際、漢方を処方したことのない産婦人科医はほとんどいないと思われるほどになってきました。このような現状の中、本研究会の目指すべき方向性として、一つはエビデンスを積み重ねることではないでしょうか。
近年、これまで経験的医学であった漢方医学もエビデンスを重視する西洋医学の手法を取り入れ、科学的な医学として成長してきていますが、これをさらに進めていくことが、漢方の普及につながるものと考えられます。一方、先人の知恵に学ぶことも大切であることは言うまでもありません。いわゆる古典には種々の活用が記載されており、本研究会学術集会でも西洋薬で対応が難しかった症例への漢方の応用が発表されてきました。
もちろん保険適応や昨今の発表のレギュレーションの問題はありますが、漢方療法の発展には温故知新も重要です。
また、漢方療法の認知と正しい普及も大切な目的です。改めてその基本的な考え方と特徴を知ることも漢方をうまく使うためには欠かせません。
この目的で、学術集会の前日に講習会が開催されるようになり、多くの若手の先生方に漢方の基礎知識を得ていただく良い機会となっています。
更に多くの場を作れればと思っております。

ただ、これらを実践できるチャンスである学術集会は、残念ながらCOVID-19の流行により、いろいろと制限がかかるようになってしまいました。
しかし、逆にこれが契機となり、オンラインやWebでの会も普及しており、本研究会もWebでの情報発信を強化することを考えております。
With コロナとして、また、After コロナに向けて、本研究会がますます発展し、産婦人科における漢方医療が広がっていくことを期待しております。

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